東洋英和女学院の中学部・高等部では、必ずどこかのクラブに所属することになっています。活発な子、大人しい子、色々なタイプに居場所があります。そして、これがいじめなどの深刻化を防ぐ上で、大切な要素だというお話がありました。
何か様子がおかしい時、上級生が気づいたり、相談に乗ったりする。これはおかしい、となれば上級生が出て行って話し合いを持つ、というようなこともあるそうです。クラブの繋がりの根底に敬神奉仕の精神があることが、子供の孤立を防ぐ役割を果たします。また、毎月相談室便りを発行し、より身近な存在となっている相談室もあります。
他校の先生のお話でも通じる部分がありますが、一貫校の場合些細な衝突や度を越したイジリ、いじめといったトラブルが頻発するのはやはり中1〜2の時期。自我の確立の最初の段階に、新しい環境への適応などが重なる難しい年頃ですね。
この時期に大事なのは、平穏無事に過ごすことだけではありません。将来もっと属性も背景も異なる人たちと関わり、利害も絡む世を渡っていくには、違いを受け入れること、マイナスから逃れたり、受け流したり、闘ったりする術を持っておくことはとても重要。どう対処していくかを学ぶ大切な時期です。
多くのトラブルで特に辛いのは、孤立すること。親や家族が出ていくのは最終手段、その前の段階でどれだけセーフティネットがあるか。自分だけで抱え込まず、友人や先輩、カウンセラーや教師などに関わってもらうことで、荷の重さを軽減する。こういう経験をするために、少し上の先輩が仲間として面倒を見てくれることは、大事な役割を果たします。
高等部へは原則として全員進学ですが、成績不振者はOGバンクに登録している大学在学中の卒業生から、負担ゼロで個別指導を受けられる仕組みがあります。更に受験対策などのために家庭教師を探してもらうことも可能。こういうところにも、卒業生とのネットワークが活かされています。