開智中学校は1月前半に入試のある埼玉県の共学校で、先端特待は実質倍率が4倍に迫る人気。1月入試は「前受け」「お試し」などとも言われますが、受験する以上は通うことを考えて学校を選ぶ方が良いと考えています。

その点、都内から見ると少し遠いけど、今年も東大合格13(現役11)名をはじめとする高い進学実績や、探究型教育にも長い蓄積のある開智はとても魅力的に映り、企画広報部長で国語科の瀬賀亜弥子先生のお話を伺ってきました。

探究テーマとフィールドワーク

今では色々な学校で取り入れるようになった探究・発信型の取り組み。開智という名前や創設以来の大村賞など開智の理念に関わってきた名誉学園長の大村先生は、2015年にはノーベル生理学・医学賞を受賞されています。大村賞受賞者の中には、東大を飛び級で修了して東大総長賞を貰った先輩も。

この大村先生の指導で30年以上の歴史がある開智の探究は、すぐに調べず仮説を大事にして、自分で検証や実験の方法を考えることを大事にしているそうです。インターネットで検索すれば、容易に「答えらしきもの」に辿り着けてしまいますが、そうやって上部の知識、答えだけを仕入れても思考力や実践力は磨かれません。2年と4年の探究発表会で、全員が発表。文化、歴史フォーラムでの発表もあり、6年生まで探究を続ける生徒もいるそうです。

磯のフィールドワーク(1年)

磯のフィールドワーク(1年)

1年生の磯、2年生の森、3年生の広島・関西のフィールドワークではグループ研究を通して学ぶスキルを育て、4年の首都圏フィールドワークでは個人研究を各自でまとめ、発表する。学校名を活用して色々な企業や大学にアポを取ったりしながら、それぞれの研究を進めるそうです。

5年の英国のフィールドワークはロンドン・ブルネル大学のドミトリーに宿泊し、イギリスの大学生に向けて英語で探究の成果をプレゼンテーションする。こうした体験を通して、発信力も身につけていくわけですね。

英国フィールドワーク(5年)

英国フィールドワーク(5年)

また、フィールドワーク実行委員をはじめ、体育祭、発表、合唱、探究テーマなどの実行委員があり、生徒会や開智発表会実行委員など、ほぼ全ての学校生活を生徒主体で運営していくようになっています。例えばフィールドワーク実行委員なら、そこで見られる生物や持ち物についてのしおりなども自分たちで作成配布し、成功を目指す。

今年の卒業生でも、生徒会会計や野球部主将から東大に合格したり、バトンチア部長と体育祭実行委員長をやって熊本大医学部に合格するなど、探究や学校活動に前向きに関わることと受験勉強を両立させる先輩が多いのも特徴です。

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